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Stanford MBA 心の旅路

Stanford大学でのMBA(Stanford GSB)留学に奮闘する、外資系経営コンサルティング・ファーム勤務の若者の心の日記blog。 コンサルティングの仕事、MBA受験からスタンフォードGSB合格、スタンフォードMBA生活、帰国にいたるまで。

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スタンフォードのキャンパス大分前になるが、「MBA受験のクライマックス ~エッセイ(前半)~」の稿で「前半」と書きながら後半を書いていなかったので、この際に後半として、スタンフォードの名物Essay(「What matters to you most, and why?」)について触れておきたい。

スタンフォードのエッセイは、Long Essay(3-4ページ/Essay)2本+Short Essay(1-2ページ/Essay)2本で構成されているが、何よりも特徴的なのが第1問目のこのエッセイである。非常にシンプルかつ本質的な質問と言えるだろう。

「What matters to you most, and why?」…なんと受験生泣かせの設問だろう。正直、このエッセイに正解はないし、王道もない。なぜ私が通って、他の人が通らなかったかも、明確には分からない。ただ一つだけ言えるのは、アドミッションはこの設問を非常にしっかり読んでいるということ。合格後にMBAのアドミッションのDirectorとキャンパスですれ違って話をした際に、「あなたのエッセイ、覚えているよ。××は、すごく重要なことだと思う。すごくいいエッセイだったよ。頑張ってね。」と私のエッセイの冒頭の設問のディテールに触れて褒めてくれたのを覚えている。何でも褒めてくれるのがアメリカなので、決して私のエッセイが素晴らしかったと言いたいのではなくて、それだけ、アドミッションはこの設問をしっかり読み込んでいるんだなぁという強い印象を受けた。同じようなエピソードは、ほかのクラスメートからも聞いた。

さて、冒頭に書いたとおり、この設問に「王道」はないが、私が実際の自分のエッセイを振り返って「よかったな」と思うポイントを2つほど掲げておきたい。

1.最も「自分」を突き動かしてきた根源的な価値観・原体験を、
  パーソナルで具体的なエピソードで綴ること

言うは易し、実行するは険し。しかしまずは、とにかく徹底的に自分を煮詰めることをお勧めしたい。私の場合は、昔から自分自身についてはいろいろと考える習性があったのでその蓄積もあったが、いろいろな角度から自己分析をし、それを徹底して他人と議論すること。自己分析手法としては、たとえば
  ・子供時代から今まで、すごく楽しい、悲しいと思った経験をすべて書きだして、
   なぜそう思ったのかを考えていく
  ・自分の葬式の場面を想定し、回りの人にどんな人だったと言ってほしいかを
   真剣に考える、  など。

他人との議論については、おススメは両親。彼らは生まれたころから自分のことを知っている訳で、直観的に、「本当?」「こうなんじゃないの?」と鋭いコメントをもらえたり、非常にいい壁打ちの相手になってくれると思う。鍵は、とにかく深さである。恥ずかしいぐらい、突き詰めていくことが大切だと思う。

さて、徹底的に掘り進んだ時点で多くの人が行きつくのが、「これってでもすごく抽象的で、個性がない(皆同じことを考える)んじゃない?」という疑問。私も同様だったが、その答えが本当に自分のものであるならば、全く問題はないと思う。むしろそこで重要になってくるのが、いかにその「答え」を、パーソナルで、具体的なエピソードで綴れるかということ。

スタンフォードの青い空パーソナルで、具体的なエピソードとはどんなエピソードか。それは、本当に「答え」を煎じつめて考えたなら自動的に出てくるエピソードだと思う。その「答え」を形作ったパーソナルで具体的なエピソードである。母親や父親の育て方からくるものだったり、小さな頃からの癖であったり、学校での出来事だったり、両親の育ちから来るものだったり、自分自身のコンプレックス、トラウマであったり、心に刺さる大きな出来事であったり。それらを具体的、主観的、情緒豊かに(not 抽象的、客観的、論理的)に描いていくことが大切である。結果として、その人がその「答え」を抱えるに至った立体的で広がりのある景色が見えてくることが重要だと思う。例え煎じつめた「答え」がありきたりなものに聞こえたとしても、それが本当の自分自身であるならば、「答え」を取り囲むエピソード群が、エッセイを個性的で、魅力的で、説得力溢れるものにするのだと思う。

ちなみに、コアとなるものは、価値観であっても、インパクトの強い具体的な出来事であっても何でもかまわないと思う。「あなた」を語る上で、欠かせない何かを、個人的で具体的で、情緒的な形で明確に提示できることが大切だと思う。

2.「根源的な価値観 & エピソード」が、「過去 → 現在
 → Stanford GSB → 将来」という流れと整合するように微調整すること

根源的な価値観を問い詰めきった結果、「あれ、俺ってビジネスやりたいんだっけ?」なんてことになってはショウモないが、意外にも、なりがちだったりもする。「本当にやりたいこと」と、「実際にできること & 食べていくためにやらないといけないこと」 とのハザマで中で我々は人生を送っている訳で、本当に自分の価値観、モチベーションの根源を突き詰めれば、意外とこれまでの「キャリア」と整合しないことは大いにありうるし、別に恥ずかしがることでもない。

ただ、エッセイは4本のエッセイを読み終わった後の「全体の印象」が非常に大切である。4本のエッセイの作成に2ヵ月かけたとしても、担当官は10分で読み終わってしまい、その一読が運命を左右する。あとのエッセイで触れることになるキャリアゴールやwhy Stanfordなどと一貫性がなくバラバラな印象を与えてしまっては、全体の印象は非常に悪くなるだろう。最初のエッセイで提示した非常に個人的で根本的なエッセイが、うまくのちのエッセイと調和することが大切である。

芝生に水着で寝そべる学生もし、ありのままの根源的な価値観がうまくキャリアゴール、why Stanfordとつながるのであれば、それほど素晴らしいことはない。ただ、多少つながりが悪い際はどうするか。ひとつには、「根源的な価値観」の描き方の角度を変えてみること。根源的な価値観は、抽象的な価値観である故、比較的描き方によって融通が効くものである。または、そのような根源的な価値観を抱きつつ、現在のキャリアを選択するに至った理由づけを明確にするなど、いろいろとお化粧を変えて見て、座りがいい形にすることである。逆に、仮に根本的に内容を変えないとどうにもキャリアゴール、why Stanfordとつながらないとすると、キャリアゴール、MBAへの応募自体が本当に自分のやりたいことなのか、もう一度考えてみた方がいいという信号と見ることもできるかもしれない。

いずれにせよ、ほかのエッセイも意識した上での「微調整」が、非常に大切になってくると思う。この冒頭の設問は個人的な思い入れが強くなりすぎたりする傾向のあるエッセイなので、ほかのエッセイ(往々にして他の学校からコピペが可能な設問)との温度差、印象差がないように、注意して全体を微調整してやることだろうか。

いずれにせよ、1番目のポイント、”最も「自分」を突き動かしてきた根源的な価値観・原体験を、パーソナルで具体的なエピソードで綴ること”というのが第一に大切なことだと思う。私の場合、どこまで実直に自分の想いを書いて、どこからマーケティング的な観点からお化粧を施そうか悩んだりもしたが、結論としては、本当の自分を力いっぱいぶつけて落とされたなら、運の要素も強いので納得できるという思いにいたり、決して誇張や過度な装飾を施さずに、多少無骨に思えても、多少恥ずかしくなるような言葉になっても、そのまま書ききるように心がけた。正解、王道が分からない設問だからこそ、下手に「正答法」を模索し、悩み、時間を割くよりは、自分に正直に、ありのままの自分をエッセイにぶつける方が結果的によいものを書ける気がする。

スタンフォード正門より(パームドライブ)そして最後になるが、残念ながらアドミッション・プロセスと運は切っても切れないものである。いくら最高のエッセイを書いても、最後はアドミッションオフィスの「アート」の領域に入る選定プロセスにかけられてしまう。同じような印象を持ったエッセイが、近隣の国など似たバックグラウンドの学生間でかぶってしまえば、素晴らしくても落とされてしまうかもしれないし、こればかりは何とも保証しえないものである。上記の2点を踏まえた自分の中での最高のエッセイを提出して、あとは結果を待つのみ。仮にダメなら、こればかりはスタンフォードの見る目がなかったと思う以外にないと思う。私は偶然にも、その当たりくじを引かせていただいた幸運な者なのであって、決して他の応募者と明確な差があったとは思っていない。

以上、私が感じる「what matters to you most, and why」エッセイへの取り組み方でした。偶然こうしてスタンフォードで学ぶ機会をもらえた者として、あと1年強、しっかり学んで来たいと思う。

/////////////// ( 補記 ) /////////////////////////////////////////////////

他スタンフォード合格者より、いくつか名物エッセイの書き方について追加コメントをもらったので掲載しておきます。

上記ポイントに加え、質問に「正面から回答すること」、ただし「典型的な回答は避けること」が大切。「世の中の役に立つこと」という典型的な回答を避けたこと、「自分なりの人生を生きること」という正面からでない回答を避けたこと、が良かった。

また、『最も「自分」を突き動かしてきた根源的な価値観・原体験を、パーソナルで具体的なエピソードで綴ること』という箇所について、その際には「エッセイがスムーズに流れること」、「面白くすること」が重要。自分のマーケティングを重視すると、「根源的な価値感」と「個々のエピソード」とのつながりが上手くいかず、エッセイがスムーズに流れていかないことがある。自己陶酔に陥らずに、第三者の目で自分のエッセイが「わかりやすく面白いか」を厳しく見ることが重要。


また、名物エッセイの書き方以外も含め、スタンフォード合格に関して詳細に解説をしたblogのリンクを以下に貼っておきます。
http://stanfordmba-lawyer.blogspot.com/2008/05/stanford-mba-8-1.html
http://stanfordmba-lawyer.blogspot.com/2008/07/mba-142.html
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このコメントは管理者の承認待ちです

2008.06.20 10:53  | # [ 編集 ]

Ruiさん、メッセージありがとうございます!なかなか忙しい中更新が滞ってしまうこともありますが、そう言ってもらえる人がいるならとても嬉しいです。

2008.06.22 03:27 URL | ひろお #- [ 編集 ]












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