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Stanford MBA 心の旅路

Stanford大学でのMBA(Stanford GSB)留学に奮闘する、外資系経営コンサルティング・ファーム勤務の若者の心の日記blog。 コンサルティングの仕事、MBA受験からスタンフォードGSB合格、スタンフォードMBA生活、帰国にいたるまで。

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Critical Analytical Thinking(CAT)」という授業では、毎週1つのテーマについて各自がレポートを作成し、それをもとに小グループで議論をする。毎回全員が同じ情報を与えられ、同じ課題を与えられる。特に前回のテーマは分析的な堅い内容で、価値観や判断の相違が生じにくいテーマだった。ところが皆の結論はてんでバラバラ。優秀な人が集まっているはずなのに、なぜこれほど結論がバラけるのだろうか、非常に興味を持った。

Discuss前回の具体的な課題は、「Blink」という本における筆者の主張の批評。筆者は「”直観力(Blink)”は緻密な調査を凌駕し得る」という結論を支持するために20以上の事例(研究・実験結果など)を「Blink」の中で持ちだしているが、本当にその事例が主張をサポートしているか、していないとすると論理的にはどんな主張が導き出されるべきか、などを論理的に吟味・批評する。

10数人の学生の分析結果は、バラバラだった。同じ材料から論理的に考えているはずなのに、なぜバラバラな結論が出るのか。授業ではその原因を探るため、20以上の事例をすべてホワイトボードに書き出し、各学生がどう判断したかを書きだしていった。すると、驚くほど意見のすり合わないこと。皆の意見が食い違っていた原因は大きく2つに分かれていた。

1.分析の緻密さの差
 ・20事例全てをちゃんとカバー vs 数事例だけ恣意的にカバー
 ・各事例の信頼性を評価して重みづけ 
vs まんべんなく検討
 ・単純な誤解、見落とし

基本的な部分であるかのように思えるが、意外にスタンフォードMBAクラスの人でも多くの人の分析に穴があり、それが原因で結論の相違を生み出しているケースが多かった。そういう私も、レポートの枚数制限の関係上、約半数の信頼性が高いと判断される事例だけを取り上げて評価していたが、その取り上げる際の信頼性評価の仕方に相当恣意性があることに気づかされた。

2.本人が「言いたいこと」の差
皆で20以上の事例を並べてちゃんと評価してみると、実はなかなか切れの良い結論は導き出せないことに気づく。そうなると、ほとんどの人は自分が一番言いたい結論、言いやすい結論を提示して、結論にそぐわない事例については釈明をしてつじつまを合わせることになる。この「釈明」がとっても曲者で、結局は結論を支持する事例は鵜呑みにし、支持しない事例だけ「クリエイティブ」に「深堀り解釈」をし、"この事例は結論を実は否定しない/または無効である"と主張することになりがちである。実際のビジネスは科学の研究とは違うので、あやふやな状況でも物事を進めていく(グレーを白と言い切って進めていく)ことが必要だとは思うが、気づきとしては、それぞれが「無意識」に色眼鏡をかけて物事を見て、整理してしまうことがあるということ。私も、無意識にいくつかの事例を都合よく解釈していることに気づかされた。

Stanford campusここまで授業で分析し、違う立場の人の意見を聞いたからそれぞれの論理の瑕疵が明らかにされたものの、さすがはMBAの学生で、できあがったレポートをさっと読むと如何にも素晴らしい論理であるかのように見える。普段の生活、ビジネスの中で展開される論理的な議論というのは、この授業ほど徹底分析していないし、ここでやったほど根掘り葉掘りは検証しないだろう。その論理思考の背後に潜む誤解、瑕疵、思い込み、恣意というのは予想以上に気づきにくい。20の共有された事実をベースにして、これだけ多様な結論が導き出されてしまうとすると、論理的な議論で1つの結論に至ることが実はいかに難しく、やっかいなものかを感じた授業であった。
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