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Stanford MBA 心の旅路

Stanford大学でのMBA(Stanford GSB)留学に奮闘する、外資系経営コンサル勤務の日本人、五十嵐啓朗の心の日記blog。 コンサルティングの仕事、MBA受験からスタンフォードGSB合格、スタンフォードMBA生活、スタンフォードからの帰国にいたるまで。

スタンフォードの1学年の人数は360人。それが60人ずつの6グループに分かれ、1年目の最初のうちはこの60人を基本単位として授業を行っていく。この60人以外に、事前の予習やグループワークをする小グループがいくつか存在し、授業後にそれぞれの家や会議室に集まってワイワイガヤガヤと準備をしたりする。私がアサインされたスタディグループには、8人のメンバーがいるが、これがまた予想以上に多様性に富んだバックグラウンドを持っていて面白いので、紹介したい。

1.パキスタン・コングロマリット社長一家の長男:
パキスタン大卒直後から繊維子会社の社長、帰国後はテレコム会社の社長をやる予定。会社は繊維、製造、テレコムから金融までもつ巨大コングロマリット。常に七三分け。3人の息子を持つ35歳。最初からずっと社長なので、夏休みには「人の下で働く経験をしてみたい」とのこと。


2.カリフォルニア在住のアジア系キャリアウーマン:
アメリカ西海岸カリフォルニア生まれ、カリフォルニア育ちで、投資銀行、プライベートエクイティ(PE)で勤務する典型的な「今風」のアジア系女性。見た目は洗練されていて且つ優しそうだが、「アジア人の大人しい女性と見られるのが一番嫌」という、とっても自律した女性。


3.ユタ州出身のモルモン教中古自動車セールスマン:
モルモン教(ソルトレーク総本山)アメリカのユタ州出身、ユタ州育ち、ユタ州で働いてきた完全ユタ州ドメスティックな人。生まれたころからモルモン教徒で、バックグラウンドを話すことで偏見を持たれることを恐れている。投資銀行を3か月で辞めて、友達と中古自動車会社を一緒に立ち上げ、その後e-Bayで働いていた。ちなみにセーリングでアメリカのオリンピック代表(!)。

4.韓国財閥一家の期待の息子:
韓国韓国で3本指に入る「ロイヤルファミリー」の息子。韓国にいると一家の期待や、回りの人がうやうやしく接するのが嫌で、アメリカにいるのが好き。大学もスタンフォード。性格も極めて謙虚で素晴らしく、奥さんも超美人。スポーツもでき、歌もうまく、歌では20歳の時にプロデビューをオファーされたが一家の期待があるので辞退したとのこと。


5.日本好きの小さなインド人女性:
インドゴールドマンサックス勤務後、世界銀行で働く可愛らしい小さなインド人女性。トトロ好き。日本食も大好きとのこと。ただ一度議論になるととても活発で、ガンガン言い返してくる強気なキャリアウーマン。




6.圧倒的に変なフランス人:
フランス見た目からして圧巻。背が高く、グリグリの巻き髪に、人を食べそうな人相。キャリアもちぐはぐ。産業材デザイナー → NASAのシステムエンジニア → 国連の食糧機関 → 投資銀行でアナリスト → パリでコンサルタント、という摘み食いっぷり。話は圧倒的に長く、圧倒的にまとまりがない。ジョークはたまに行き過ぎて、皆が凍ることもしばしば。「俺の人生は他人と違うことをやる人生だ」と豪語して憚らない、変なフランス人。

7.ボストン生まれの赤ヒゲ・ナイスガイ:
ボストンボストン生まれ、レッドソックスファン。アメリカ東海岸でずっと育ってきた。ごつい体格に、赤ひげ、いつも野球帽(レッドソックス)をかぶっている。見た目は相当に恐いが、性格は実はすごくいい。大学ではハーバードで歴史を専攻し、内面は意外にロマンチスト。(悪名高き?)ヘッジファンドでアナリストをしているが、「絶対に俺の性格にあっていない」と言い張る。(皆もそんな気がしている)

8.私:
日本こう並べると、私って意外と特徴ないな、と我に返るのでした。(外国人受けするのは”日本生まれ、日本育ちの日本人”という点くらいだろうか。)




感じていただけただろうか。8人それぞれが非常に独特のバックグラウンドを持っていて、本当に意見がかみ合わないので面白い。実際のグローバル企業でもここまでバラバラにはならないだろう。グループワークではまとまるのがとても大変だ。まさしく、異種格闘技戦といった感じである。私とパキスタン人社長、アジア系PE女性、モルモン教セールスマンの4人はさらに小さなグループになっており、この4人で作業をすることが一番多い。ビジネススクールのオリエンテーションでは、「ゲイもいれば、そうじゃない人もいるし、カルト宗教の人もいれば、無宗教の人もいる。とにかくいろんな人がここに集まっているので、これまで自分がいたカルチャーと同じと思って接せずに、相手を尊重しながら接していこう」ということを言われたが、なるほど、本当にいろんな人が集まっているんだなぁと感じる日々である。


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