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Stanford MBA 心の旅路

Stanford大学でのMBA(Stanford GSB)留学に奮闘する、外資系経営コンサルティング・ファーム勤務の若者の心の日記blog。 コンサルティングの仕事、MBA受験からスタンフォードGSB合格、スタンフォードMBA生活、帰国にいたるまで。

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1週間のナショナルパーク巡りも後半戦を迎えた。1つ1つのナショナルパークをじっくり見た前半戦と異なり、後半戦は駆け足で多くのナショナルパークを巡っていく予定だったが、トラブルあり、出会いありといった、前半戦とは違ったいろんなことを感じる旅となった。

土砂降りの中の"崖登り"
目の前に現れた巨大な台地後半戦初日の朝は、土砂降りの雨で始まった。天気予報によると、大型の台風の影響で今日明日とほぼ断続的な雨になる模様。とは言ってもこの場所に留まっていては飛行機の日時にラスベガスに戻れない。ゆっくりでも移動を続けながら、天気と相談して観光をしていこう。

さて、サバンナを走り続け、雨がゆるやかになり始めた昼前に、巨大な崖は突如として目の前に現れた。Grand Canyonで見たような、巨大な台地である。道路はまっすぐとその台地に向かって伸びている。これほどの切り立った崖だから、当然トンネルを抜けて台地の上や向こう側に出るのだろうと思いながら、さすがアメリカの山は違うなぁなどと感心しながら車を走らせていた。近づけば近づくほど崖の巨大さは威圧感を増す。と同時に、道路は急に細くなり、上り坂になり始めた。トンネルの入口はまだかな、と思いながら少し車を走らせると、舗装道路が終わり、完全な土の山道に。え?・・・・・。 そう、その通り。この道路はこの崖を正攻法で登ろうとしているのだ。参ったなと思いつつ、天気が崩れないことを祈りながら、この道を避けては目的地に行けないので、腹をくくって道を登り始めた。

崖山を登ること5分、天気が一気にあやしくなり始めた。遠くで雷が鳴り、雨は急に強くなってきた。と思うや否や、雨は土砂降りに変わり、ワイパーを最速にしても前が見えにくいほどの雨になってしまった。最悪だ。Uターンができるほどの道幅はなく、道の横はすぐに切り立った崖。日本のようにガードレールなどないし、舗装もされていない。簡単に落ちられる山道だ。ゆっくり、ゆっくり上るしかない。とにかく崖から落ちないように、山側に車をこすりつけるようにして上って行った。スポーツカーなど借りなければよかった。だんだんと赤い泥水が道の脇に流れを作って流れ始め、山側の岩からも赤い泥水が水しぶきを上げて流れ落ちていくようになった。崖道の登りはじめ途中、1台の車とすれ違った。大きなキャンピングカーだった。偶然、出会った場所が膨らんだ道でよかった。私が崖側に怖々と停車し、ゆっくりとすれ違った。さぞ上から下りてくるのは怖かっただろう。でも雨が本格的にならないうちにここまで降りてこられたのは幸運だったともいえる。その後はたまに水たまりにタイヤを取られ、タイヤを空転させたりしながら、肩に力を入れ細心の注意を持って必死で急峻な崖を亀のように登ること30分以上、ようやく道がなだらかになり始め、崖からの距離が遠くなり始めたときの安堵と言えば、言葉に表せないほどだ。頂上に登ると、そこは木々の茂った森林のようになっており、完全に平坦な台地となっていた。思わず車の中で喜びの雄叫びを上げてしまった。本当に怖かった。大きな荷物を持っての命がけの峠越えというのは、本当に厳しいものなんだろうな、などと考えた。舗装なしの崖道といい、土砂降りの雨といい、なかなか日本では体験しえない自然のスケールだった。それから15分もたたないうちに、向こうの空が明るくなり始め、雨はあがっていった。

雨が去り ~Lake Powell: お金持ちの遊び場~
パノラマ絶景本来であれば今日はMonument Valleyから北上し、Natural Bridges National Parkという自然が作った橋が複数ある地域を通過しつつ、西に進路を変えてLake Powellおよびその周辺のGlen Canyon National Parkという大きな国立公園を見て回る予定だった。だが、雨による徐行運転で予定は大きく遅れ気味なため、思い切ってLake Powellだけに目的地を絞って、ドライブをのんびり楽しむことにした。大自然の中を走っていると、決して国立公園でなくても、たくさんの壮大な景観を目にすることができる。特に眺めが美しいところでは、必ず路側帯が広くとってあり、車が停車できるようになっており、また「Scenic View turn off」という展望エリアへの分かれ道を示す標識がところどころ立っている。今日はそんな寄り道を沢山しながらドライブを楽しもう。

Lake Powell レストラン夕方前に、目的地のLake Powellに到着した。この湖もコロラド川の一部で、西部の国立公園的な奇岩に囲まれる形で静かな湖が広がっている。ここではお金持ちが自前のボートを持ち込み、クルージングを楽しむ場になっている模様だ。そんなわけで、回りの車はほとんどが自分のボートを車で牽引している。Lake Powellといっても非常に広大な湖なわけで、どうやら私は観光スポットというより、レジャースポットの地点に到着してしまったらしい。結局、湖をのんびり眺めた後は、湖を一望できる奇麗なレストランでおいしいステーキをいただき、昼の土砂降りの崖道からは考えられないような平和な時間に癒されるのであった。

山道のトラブルで出会ったCowboys ~田舎の温もり~
次の日、Bryce Canyonに向かう山道の途中で、大きなトラブルが起こってしまった。前日同様の激しい雨が降る山道の途中、車が動かなくなってしまったのだ。なかなかあることではない。仕方なくロードサービスを呼ぼうにも、山道の中、携帯電話が通じない。仕方なく雨の中、傘を持っていなかったので車の外でびしょ濡れになりながら大きく手を振って他の車を止め、携帯電話が通じる場所からロードサービスを呼んでもらった。その20分後、再び空は晴れ渡った。

山道ロードサービスが到着し、とりあえず車はもう動かないということでいよいよレッカーすることとなった。最悪の事態だ。一番近くの小さな町までレッカーして、後日レンタカー会社に引き渡すという。しかし私の宿はその町から60マイル(110キロ)以上先のBryce Canyon近くにとってある。アメリカのユタ州のど真ん中で、車がなければ何もできない。これは困った。

とりあえず一番近くの町まで、一緒に連れて行ってもらうことにした。ロードサービスは、地元の小さな自営業者のようだった。60歳前後のおじさんと、20歳前後の若者の2人組だ。とにかく変なことにはならないように、車の中では会話を絶やさないようにした。話を聞くと、どうやら変な人ではないようだ。ひと安心した。

町についてレンタカー会社に電話したところ、代行の車を出したいが、近場に事務所が全くないとのこと。これではとにかくBryce Canyon近くの宿まではなんとか連れて行ってもらわないと、この町で立ち往生することになってしまう。事情をCurtさん(ロードサービスのおじさん)に説明し、なんとかBryce Canyonまで連れて行ってほしいと交渉するが、次の仕事が立て込んでいる模様で、まったく雲行きが悪い。思い切って、こんな提案をしてみた。

「本当に困っているんだ。1マイル2ドルでどう?」

Curtの動きが止まった。
1マイル2ドルか。…悪くないな。いいだろう。その話乗った。」

なんとも簡単に話がまとまった。交渉は、してみるものだ。

まずはCurtの事務所に行って車をおろしてから、Bryce Canyonまで私を送ってくれることになった。どうやらCurtはユタ生まれユタ育ちで、小さいころからCowboyとして育ったらしい。Curtの車州の外に出たことは2,3回しかないという。俺はこの土地が好きだし、この土地を出たくないんだ、と話す62歳のおじさんの笑顔は、本当にこの土地が好きなんだろうな、と思わせるものがあった。やんちゃなCurtは、若いころはしょっちゅう喧嘩をやっていたらしい。ナイフで刺されたあと、骨折の傷跡など、いろいろと運転しながら見せてくれた。仕事も30歳を過ぎてからガソリンスタンド店員、ボディガード、車の修理屋、飲食店経営などいろんなことに手を出し、50歳くらいから今のロードサービスの仕事をしているという。35人もの孫がいるとのことで、誇らしげに携帯電話で写真を見せてくれた。35人の家族。。。 それは立派なものである。ただ聞いてみると、4回結婚をしているらしく、毎回結婚するたびに向こう側の子供もくっついてくるので増えてしまったとのこと。

Curtの後を別のトラックで付いてきている若者は、18歳のRay。3か月前に雇ったとのことだが、すごくよく働くとのことで、Curtは息子のように可愛がっている。ユタの外から来たとのことだが、家族の暴力などで結構大変な目にあって逃げてきて、今ここにたどり着いているような感じらしい。前はどこにいたのか聞けなかったが、ドラッグや犯罪が多い地域に住んでいた模様だ。

Curtのハンバーガー途中、おなかも減っているのでご飯を食べることにした。Curtが「本場のクラシックなハンバーガーを食べさせてやる」というのでついて行くと、Curtの奥さんがパートとして働いているレストランだった。ただ、そこで食べたハンバーガーは、とてもおいしかった。ちゃんとしたハンバーグを使っていて、かつフレンチフライも、ポテトをそのまま揚げた本格的(?)なものだった。空腹だったしおいしかったのでモリモリ食べていたら、結局全ておごってもらってしまった。ハンバーガーレストランでは、奥さん以外に、Curtの娘も2人ほど働いていた。テーブルに、Curt、奥さん、娘2人、Ray、そして私。アメリカ西部の田舎の家庭の団欒に、私だけ加わっているような不思議な体験をさせてもらった。話す内容は、本当に素朴。来週子供の1人が誕生日だったのだが、それをCurtが忘れていて娘に叱られていたり、誕生日に何を食べるかみんなで考えたり、近所で起きたちょっとした出来事の噂話をしたり。コミュニティーが固定的で都会的なエンターテイメントがない田舎の人間付き合いというのは、どこの国も似た感じなのかなーなんてことを考えたりした。

その後は調子に乗って、彼の自宅まで案内してもらった。本当に田舎だった。Curtの車工場隣の人の家まで、車で15分だという。家には十数匹の犬がおり、Curtが帰ってくると、車に一気に走り寄ってくる。轢かないか心配だったが、降りてみると大丈夫だったようだ。車を降りると、一斉に犬たちが私の足に鼻をくっつけてきたり、遊んでくれと飛びかかってきたりする。そんな犬を引きずりながら敷地に入ると、自宅周辺には廃車が山のように積み重なっていた。それらの部品を組み合わせて自分で車を作るのが趣味だという。ちなみに今日運転していた車も、Curt本人が組み立てた車とのこと。自慢の修理工場も見せてもらった。修理工場では、ちょうど真っ黒のクラシックカーが組み立てられている途中だった。そんな感じで、自宅で少しくつろがせてもらっていると、Curtに緊急の仕事が入り、急遽18歳のRayが私をBryce Canyonまで送ってくれることになった。お世話になったCurtに別れを告げて、彼の自宅をRayの車で後にする。本当にCurtはいい人だった。

人生初のヒッチハイク
Bryce Canyon近くの宿に一泊泊まり、次の朝を迎えた。さて、車がない。どうしたものか。レンタカー会社に再度連絡するものの、残念ながらこの周辺で車の手配はできないという。ホテルの人に聞いても、タクシーはないとのこと。ただ、ここから15マイル(28キロ)ほど離れた場所に、別のレンタカー会社があるとのことだった。そこまで行けば、別契約になってしまうが車が手に入る。でもどうやって行こうか。ホテルの従業員に輸送交渉をするが、今回はさすがに送ってくれそうにない。「道を歩いて親指を上げれば、地元の誰かが送ってくれるよ」とのこと。つまり、ヒッチハイクか。。。

雨上がりの国道をゆくさすがに道路で親指を上げるのには勇気がいる。変な意図を持った人が止まるリスクもあるので、それは避けたい。そこで、町の小さなスーパーマーケットに潜入し、買い物に来ている地元の人のよさそうな夫婦をターゲットして、交渉をすることにした。三組目で、見事交渉成立。ちょうどそっちに向かう途中とのことで、すんなりと乗っけていってもらえた。全米で最も治安がいい街と言われるユタ州だからこそできたことだろう。なんとかレンタカー会社にたどり着き、ようやくにして車を入手することができた。今回は、Fordのスモールカー。Mustangと比べた燃費の良さに、ただただ感激するのであった。

照りつける太陽と、壮大な大地の彫刻
Zion国立公園

Zion国立公園最後の2日間は、Bryce CanyonとZionをめぐった。予想外のトラブルで時間を食ってしまったので、駆け巡ったという感じだが。アメリカ西部の国立公園群の印象を一言で表現すると、「照りつける太陽と、壮大な大地の彫刻」。砂漠地帯、サバンナ地帯に照りつける太陽は、本当に容赦がない。その地面から湯気が立ち上るような熱射の中、地球が肌を露出したような、壮大な地形が広がっている。いずれも、何億年といった歳月をかけて巨大な地層が雨と風によって削り取られ、複雑かつ美しい地形を形成している。大自然のスケールの大きさと、自然の力の不思議さを感じさせてくれる旅だった。

車窓からドライブ中に見てきた景色を含め、島国日本にいては考えられないスケールの大きさというのを経験させてもらった気がする。本当に、視野に入るものは、空と、大地しかない。そんな地域を何時間も走っていると、アメリカは、本当に大きな国だなぁ、なんてしみじみ考えてしまう。このスケール感、空間感は、アメリカ人の思考に少なからず影響を与えているのではないかと思う。
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このコメントは管理者の承認待ちです

2007.09.10 00:27  | # [ 編集 ]

2人で珍道中しながら行く旅行はきっと100倍楽しいですよ^^

2007.09.11 12:55 URL | ひろお #- [ 編集 ]

日本の国道246号線でさえ脱輪しかけていた啓朗が、アメリカで崖を越えているなんて・・・。


くれぐれも気をつけてな。

2007.09.11 22:22 URL | まなべ #- [ 編集 ]












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