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Stanford MBA 心の旅路

Stanford大学でのMBA(Stanford GSB)留学に奮闘する、外資系経営コンサルティング・ファーム勤務の若者の心の日記blog。 コンサルティングの仕事、MBA受験からスタンフォードGSB合格、スタンフォードMBA生活、帰国にいたるまで。

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MBA(経営学)は、経営コンサルティングの役には立たない


私は幸か不幸か、沢山のMBAホルダーの方に囲まれて社会人生活をスタートした。外資系の経営コンサルティング・ファームは投資銀行と並び、MBAホルダーの2大転職先であり、中途入社のコンサルタントの多くの人が一流の企業からMBA留学をし、うちの会社に入ってくる。ただ、実際に仕事をしているときは、意外とどの方がMBAホルダーかなど、実はほとんど考えたこともなければ、感じたこともない。「経営コンサルティング=経営学を学んだMBAホルダーは有利」、というイメージをお持ちの方もいるかと思うが、実際は違う。活躍するコンサルタントとMBAホルダーは全くイコールではないし、またMBAを持っていても入社直後は当然全く戦力にはならない。


経営「学」と、実際の経営は全く異なると思う。MBAとは「過去」の事例をベースに、いろんな経営課題を「広く浅く」、沢山学んでくるものであって、実際のコンサルティング・ワークとは、「現在(または未来)」の経営課題に対して、「狭く深く」、お客さんに適した解決策を練りこんでいくものである。パッケージ販売でない、本当のプレミアム・コンサルティング・ファームで働くのであれば、基礎力として必要なのは既成コンセプトや知識ではなく、"お客さまの現状や外部環境を深く理解した上でゼロベースで自らの「頭脳」と「ハート」と「アンテナ」によって新たな解決策を作りこんでいく力"、及び、その累積経験から来る、"ある事象を見たときにパターン認識ができる力"に他ならないと感じる。これは実際の実務に携わり、プロであるベテラン・コンサルタントと協働しながら技を盗んでいくプロセスの中で集中的に鍛えられ、血液中に貯められていくものであって、MBAでの浅く広い経験自体は、その実務における濃密度合いに比べたらないに等しいというのが、多くのMBAホルダーを見、また5年間ここで働いてきた私の仮説であり、感覚である。


私はコンサルティングの仕事を続けようと思っている。また、自分の中で将来事業会社を経営するオプションも捨てていないが、その場合は既にMBAよりもリアルな経験を5年もさせてもらっているのだから、MBAではなく事業会社での経験を積んだ方がいいのだろう。ではなぜ、MBA留学なのか。会社のMBAホルダーが首をかしげるのも分かる気がする。


MBA留学に求めるのは、「自己拡張」と「切符」



"自分の幅を広げたい"


この5年間は私にとって「徹底的に尖らせる」時期だった。20代は悔いの残らないように仕事に魂を燃やしたいと思っていた私にとっては、この会社の選択は間違っていなかった。苦しい時期も長く、アップダウンのある5年間だったが、今は「頑張ってよかった」と素直に思える。ただ当初から想定していたことではあったが、副作用も顕著になってきた。仕事以外の好きな本を読む、映画や絵画、音楽を鑑賞し、沢山運動する。ギターを弾いて歌を作る。友達と飲みに行って駄弁ったり、ダラダラとテレビを見たりする。好きな服を買ってオシャレする。旅行に行って、いろんな刺激を取り込む…。そういった人生の「豊かな」部分を切り詰めて仕事に投入してきたのがこの5年間だ。その結果、「心の畑」が痩せていく感覚を段々と強く持つようになった。平たく言うと、恥ずかしながら友達と久しぶりに会っても仕事の話以外、引き出しがなくなっているのだ。これは理想の父親、理想のビジネスマンの姿からは程遠い姿である。 多分に、近視眼的になりがちな私の性格が影響しているのだが、これはなんとか修正したい副作用であった。


次の2年間は、「徹底的に広げる」時期にしたい。それはいろんな読書、芸術、スポーツ、旅行を満喫することでもあり、各国から集まってきた優秀な学生と徹底して価値観と心の交流をすることである。また、英語力を鍛え、活躍のステージを日本国内から確実に英語圏全体へとシフトさせていくことでもある。世界各国に友達を作り、グローバルネットワークの一員になることでもある。私は理想的な父親になりたいし(残念ながら2ステップぐらい手前だが)、理想的なビジネスマンになりたい。それは、経験や言葉が重みと含蓄に富んだ人間であると共に、人として幅があり、慈愛があり、信頼される人間である。挫折や無駄、自分の価値観で捉えきれないことを経験するほど、愛に満ち、懐が広がっていくものだと信じている。この2年間を、そんな人生の幅を広げる2年間にしたい。


"切 符"


数年前、転職を考えた。コンサルタントの仕事で壁にぶつかる中、他の機会を探してヘッドハンター数社にコンタクトを取ったのだ。コンサルタント3年生であり、社会人3年生でもある私に提示されたポジションは、私の予想したような薔薇色のものではなかった。中堅日系事業会社の経営企画部のスタッフ。外資系企業の担当者。決してスジがよさそうでないベンチャー企業のメンバー…。世の中の採用者はトップティアのコンサルティング・ファーム(BCG,McKinsey)もシステムコンサルもひと括りで、「コンサル暦3年」という一介の若者としてしか見てくれないのだ。実力を考えてみれば当たり前だが、私にしてみればショックであった。そこで、「仮にプロジェクト・リーダーを数年経験し(コンサル暦7-8年)、MBAを取って帰ってきたらどんなチャンスがあるか」と聞いてみた。すると、前とは打って変わって目の前に出てきたポジションは魅力的なものに一変したのだ。誰もが知っている外資系企業のある事業部のトップ、有名な日系企業の面白そうな子会社の役員などなど。MBAというタイトル自体は大分陳腐化してきている感があったが、それでも力があることを見せ着けられた瞬間だった。「コンサル・ファームで7,8年経験」+「プロジェクト管理経験あり」+「社費選抜で留学」+「有名MBA卒業(=英語OK)」という組合せが、高い市場価値をつけるのだと言う。


切符という意味には、MBAホルダーの集まりや世界中のAlumniとのネットワークへのアクセス権といった面も含まれている。この意味での切符という価値は、これまでイメージでしか理解していなかったが、合格をもらってからのここ数ヶ月間で、その意味を体感している。これについてはまたスキをついてアップロードしたいと思うが、私が当初予想していた以上の広がりがあるものだと感激をしているところである。



以上、長々と書いたが、MBA留学の本当の価値は、決して学問的な部分だけではないと思っている。もちろん、経営学の知識やコンセプトもコンサルタント経験のない人にとっては新鮮で学びに満ちたものになるであろうし、私にとっても沢山の学びがあるものと信じているし、また期待している。ただ、本当のMBA留学の価値はそういったハードな部分になるのではなく、人としての幅を広げたり、MBAホルダーというコミュニティー/ネットワークの一員となれる点にあるのではないか。それが私がMBAに期待することであり、MBA留学を希望するに至った主な理由である。

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